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まんが表現学科在学生レポート!

こんにちは!

今日は「在学生レポート」第2弾です!
今回は2年生の学生に話を伺いました。現在まんが表現学科に在籍している学生の、大学に対するリアルな声をお聞きください!

2020年度にまんが表現学科に入学した北村です。

私たちの学年は、新型コロナウイルスの流行と共に大学生活が始まった学年です。
そのため、先輩方が過ごしてきたであろうコロナのない大学生活を全く知りません。授業の半分以上はオンラインでの受講となり、学生や教授たちと一緒に食事や飲み会……なんてこともほとんど経験していません。まず、友人たちの素顔すら基本的には見る機会がありません。

空を掴むような将来への不安はありますが、心の持ちようや自分の行動次第で、充実した大学生活は送れます!!私と同じようにコロナと一緒に入学してくる方、そしてコロナが収束した未来でこの記事を読んでくれている方にも参考になるように、私のまんが表現学科での生活を3つに分けてまとめたいと思います。

・大学での授業について

まんが表現学科に入ると、まんがを描くにあたって必要な知識や技術を手に入れるための授業を受けることになります。英語や歴史などの科目とは異なり、まんがについて学ぶ授業はおそらく多くの人が大学に入って初めて受けるものになるでしょう。
1年次の授業は、全体的にまんがについての基礎知識やまんがを描く上で最低限知っておくべき技法などを学びます。そして2年次ではそれらの知識や技術を用いて、どんどんまんがを描いていきます。

私の場合は新型コロナウイルスが広がった最初の年だったということもあり、オンライン授業のシステムが調整中だったり、同級生と仲良くなるのが難しかったりと、1回生のうちは非常に苦労した記憶があります。
初めての1コマ90分の授業も想像していたよりも大変で、集中力が切れそうになることもしばしば。聞いたこともない用語や考え方、技法などを大量に頭に詰め込む必要がある1回生は人によっては苦しいものだったり、手を抜いてしまいたくなるものだったりするかもしれません。

私も1回生の時は、授業の内容を100%理解できていたわけではありませんでした。
言葉や概念としては分かるけど、知識が身についているという実感はあまりありませんでした。私の場合、まんがについて授業で学べるということがただただ楽しくて、ひたすら授業を受け続けていたような感じだったと思います。

まんが制作基礎(1年次)課題①。ネームとキャラクターデザインなどの資料
まんが制作基礎(1年次)課題。先生に相談して、同一ページのネームを大幅に変更することもある。修正前(上)と修正後(下)

しかしこれが2回生になると、1年次で身に付けた知識が経験として、自分の強みや武器に変わっていきます。
作品作りに行き詰った時、解決や前進のきっかけになってくれるのです。「ああ、あの時学んだあの技法って、こういう風に使うのか!」「この作品が面白いのは、あの手法を使っているからじゃないか?」と、単なる知識だったものが、徐々に自分の血肉になっていくのを実感できます。この感覚、楽しくてクセになりますよ。

基礎知識がちゃんとしているからこそその先の勉強もより楽しめるようになるし、基礎があるからこそ応用ができるということを、私は2回生になって初めて実感しました。人によってはもう知っているような基礎の授業でも、毎回の板書や課題のひとつひとつを丁寧に確実にこなしていくことに損はないと、断言させていただきます。

まんが作品制作基礎Ⅰ(2年次)課題。先生と話し合って、ネームに何度も微調整を加える。

大学での課題は、正直に言って少なくはありません。

そして1つ1つが大掛かりで大変なものが多いです。ですが、その分スケジュール管理能力が嫌でも上がっていきます。それでも間に合わないことはあるのですが(笑)。

課題などの「やるべきこと」に追われる毎日の中で、それを乗り越えてでもどうしても「やりたいこと」を常に持っておくと、モチベーションの維持に繋がるかもしれません。
私の場合は、友人とのオンライン飲み会や皆でゲームをやる会などの日程を先に決め、それまでに絶対に終わらせるぞ!といった感じで頑張っていました。親しい友人に「私がこの課題を終わらせられたら全力で褒めて!!」とお願いするのもいいかもしれません。忙しい毎日の中で、自分の機嫌を取りながらタスクをこなす方法が身に付いたのは良いことだと思っています。

・授業以外での作品制作について

1つ目で書いたように課題の多いまんが表現学科ではありますが、それでも私は春休みや夏休みなどの長期休暇や、普段の課題の合間を縫って個人制作のまんがを描いています。個人制作では授業で描いているまんがとは趣向の違う作品や、実験的な作品を描くことが多いので、授業で制作する課題の漫画とは別のものを得ることができます。

私が2回生でやってよかったと強く思っていて、後輩たちにも是非勧めたいことがあります。
それは、10月の芸工祭に合わせて発行される「トビタマ」という合同誌の作成です。トビタマは学生主体で企画がなされ、参加者を集めるところから、まんがやイラスト原稿の用意、編集作業をし、印刷所に入稿するところまで、学生主体で行います。

「トビタマ」に掲載された北村さんの作品


それまで自分一人で制作していたまんが作品というものが、合同誌になることで共同作業になります。複数人で1冊の本を作り上げるという貴重な経験ができる上に、それまで話したことのない同級生と話したり一緒に作業をしたりすることで、同級生たちとの絆が深まった気がします。

自分一人で同人誌を作るにはお金がかかるし難しそうと思っている方でも、何人かで協力して作れる上に印刷代は大学が負担してくれるトビタマなら参加しやすいかなと思います。分からないことや不安なことがあれば、その時は教授方や助手さん、私たち先輩たちを進んで頼ってみてください。きっと良い経験になるはずです!

・人間関係について

大学に入ると、同じ学科の同級生、他学科の学生、先輩後輩、教授、実習助手など、様々な人たちと出会い、関わる機会があります。
私の場合は(繰り返しになりますが)新型コロナウイルスの影響で、1回生の間はそういった関係性の知人がほとんどできませんでした。同級生や教授、助手も含め対面で行う授業は本当に少なく、授業の後にどこかへ一緒にご飯を食べに行く……なんてこともできませんでした。
そんな生活の中でも大学の授業を受けたり、作品を作っていったりすることはできていたのですが、一つだけ後悔していることがあります。

それは、私が1回生の間、授業以外で教授に関わる機会を極力減らしていた事です。

大学生になったばかりの私は「教授」というものを必要以上に怖がっていて、自分から声をかけたり話を振ったりすることを遠慮していました。高校生までの、生徒から見た「先生」というものとは全く違うような気がしていたからです。

しかし、2回生になって教授と話す機会が増えた今なら分かります。
教授は怖れるような存在では全くありません。
むしろ、教授は私たちのようにまんがやイラストを本気で描く人間の気持ちを分かってくれる数少ない大人たちの中の一人なのです。

これからこのまんが表現学科に入る方がいたら、大学が始まったらまずは一度、先生方のもとを訪れてお喋りをしてみてほしいと思っています。少しでも授業で疑問に思ったことがあったらメールで済ませるのではなく、是非直接会いに行ってみてください。質問がなければ、過去に描いた自分の作品を見てもらうのも良いと思います。
とにかく、直接会ったり連絡先を交換して話したりすることで、自分と先生方との距離が縮まります。それによって自分の作品作りにおいて有益な情報が得られたり、先輩や後輩など別の世代の学生との繋がりができたりします。

人間関係というものは、自分から動かなければ築くことができません。これは、私が大学生になって改めて実感したことです。人付き合いが苦手な人からしたらわざわざ新しく人間関係を築くなんて面倒なことしたくないかもしれませんが、高校よりも専門性の高いコミュニティである大学に来たのであれば、ここでしか得られない人脈や可能性を掴むために一歩踏み出してみることをお勧めしたいです。

せっかく学費を払って大学に来ているのだから、学費以上のもの、お金では買えない人間関係というものも大切にしてみてもいいのでは、と思います。

そして私自身も、多くの知識や考え方を授けてくれる教授、実習助手さんや、互いに励まし合える仲間であり常に切磋琢磨し合う戦友でもある同級生、違う価値観を示してくれる先輩や後輩といった、縦にも横にも広がる人間関係を大事に紡ぎながら残りの大学生活を送っていきたいと思っています。

この記事を読んで気になった方がいたら、教授や助手さんから私の連絡先を聞きだしてください。同級生でも先輩でも後輩でも、私は話したいと思っています!!新しく人間関係を築きたいと思ったらいつでも!ご連絡ください!

長々と語ってしまいましたが、そろそろ私の大学生活のレポートを終わります。

やりたいことに貪欲に、そのためにがむしゃらに無茶できるのは、それを受け入れてくれるまんが表現学科という環境があるからだと日々実感しています。
皆さんがこのまんが表現学科で、やりたいことを見つけそれに向かって努力する楽しさを見出していけることを願っています。私もまだまだ道半ばではありますが、今の自分の積み重ねがいつか実となり次の芽に繋がるよう努力を続けていきたいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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